価格が未知なインフルエンザ治療薬のエボラ出血熱治療

インフルエンザ治療薬として開発されたファビピラビルはRNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤として働き、ウイルスの増殖を抑制することによって効果を発揮します。RNA依存性RNAポリメラーゼは多くのウイルスが持つ酵素であり、その増殖に必須なものとなっています。そのため、インフルエンザウイルスだけでなく、エボラ出血熱ウイルスやノロウイルスなどにも有効であると考えられました。インフルエンザの治療薬としては新型インフルエンザ等で耐性が問題になった際にのみ国の要請を受けて製造販売できるという状況になり、新しいメカニズムで作用する新規治療薬としての立場を獲得することはできませんでした。しかし、その後に行われてきているエボラ出血熱への適用拡大においては有効性が示唆される結果を集めており、エボラ出血熱治療薬としての地位を獲得する方向に向かっています。ファビピラビルは市販されていないことから国内価格はまだ定まっていません。しかし、それほど高くはならないだろうというのが多くの人達の見解であり、エボラ出血熱に苦しむ世界の患者を助けるための有望な治療薬として期待がもたれています。価格の面でまだ将来的な扱いに不透明な面はありますが、たとえ価格が高くなったとしても適応拡大によって幅広いシェアを持つようになっていくでしょう。欠点として知られている副作用が催奇形性であり、妊婦への使用は禁忌とされています。有望な治療薬とはいえど万能ではなく、別のリスクを抱えなければならないというのが事実です。インフルエンザ治療薬としては催奇形性を持つことがネックとなってしまう可能性があるものの、エボラ出血熱の治療となればその治療効果のほうが優先されることが多くなるでしょう。